半導体需要は更に高まる

 先日行われた日米首脳会談、菅総理とバイデン大統領の間では「脱中国依存」、半導体などの重要分野のサプライチェーンに関する協力関係が確認された。

 今回バイデン氏が最初に対面する外国首脳に日本の総理を選んだのは何故か?

それは、アメリカの対中国戦略において日本が極めて重要な存在で有ることを意味している。
そして、それは半導体のサプライチェーンという点でも重要な意味をもつことになる。

 現状、半導体の供給は、世界最大のファウンドリー(受託生産企業)である台湾積体電路製造(TSMC)頼みの状況だ
 このTSMCが設備投資計画を増額するなど、世界的な半導体需要の増加が見込まれていることは間違いない。

 しかし、米国は半導体のプライチェーンが台湾に一極集中していることに危機感を持っており、インテル社にファウンディング(受託生産体制)を要請している。

「最先端半導体の生産は東アジアに偏っていて、バランスをとる必要がある」(米インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者)

 こういった流れを受けて、米インテル社は3月23日、新たな工場の建設(当初200億ドル(約2兆1700億円)投じて米アリゾナ州に2つの新工場を建設、米欧などでもさらなる工場を建設する計画)など大規模な投資を行い、他社向けに半導体を製造するファウンドリー(受託生産)事業に乗り出す計画を明らかにするなど半導体製造でリーダー的地位を取り戻すことを目指している。

 その後インテル株価は上昇傾向が続いている。

インテル株価

 米国は日本を引き入れて、自前の半導体のプライチェーンを構築したいというのが本音かもしれない。

 そんな中、英CVCホールディングスが東芝の買収を目指しているという報道がなされ、東芝株がストップ高になるなど話題を集めているが、一方で子会社であるキオクシア(旧東芝メモリ)の買収を米企業のマイクロンとウエスタンデジタルが、それぞれキオクシア買収を検討している。この業界再編の動きも半導体需要の高まり、半導体のプライチェーンとの関連性を感じるところだ。

 いづれにしても、半導体関連株のスーパーサイクル状態が続いていることを意味する。

※ スーパーサイクルとは長期間の上昇傾向が続く状態で原油などの商品相場に使われてきた言葉

なぜ今半導体不足なのか?

 米欧日のメーカーは巨額投資を抑えるため、この20年間で製造の一部を台湾、中国、韓国などの受託生産会社(ファウンドリー)に委託しつづけてきた。その結果、半導体の生産はアジアに集中し世界の半導体生産量に占めるアジア勢のシェアは8割を超えている。

 そして、更に世界の半導体市場規模は21年に前年比8%増の4890億ドル(約53兆円)となる見通しと。英調査会社オムディアは公表した。

 コロナ禍でパソコン用スマホ用、更に自動車生産の急回復という状況にも関わらず、寒波などの自然災害や工場火災などが相次ぎ半導体不足に拍車をかけている現状だ。

 半導体業界はこれまで、「シリコンサイクル」と呼ばれる数年おきの急激な市況変動を繰り返してきた。
品不足になると部材確保のため実需以上の注文が舞い込み、各社が増産投資を進めたところでその反動が出るためだ。

 日本は技術的にアドバンテージがあるとする先端半導体分野で工場の国内立地を目指している。

 幅広い業界からの需要がかつてない規模に膨らむ状況で、現状の好況がどこまで続くかに注目が集まる。

日本の半導体関連銘柄にも注目

 半導体銘柄株のスーパーサイクル加速で東京エレクトロンや日本電産のようなスター株が生まれる可能性もある。 

 では、半導体メーカーが大規模な設備投資をすることにより今後の伸びが期待される日本の銘柄は何か考えて見る。

 まず浮かぶのは[6902]デンソー トヨタ系の自動車部品最大手だが、グループ外への販売も拡大傾向にある。

デンソー株価

今回注目の銘柄

 そして、半導体パッケージメーカーの[6967]新光電気工業、同社はインテルなど半導体メーカーを主要顧客としており、今回のインテルの投資計画を考慮すると非常に注目度が高い。

新光電気工業株価

今後、日経平均やTOPIXが上を目指す展開となれば、半導体関連銘柄がその牽引役となるかもしれない。