問われる岸田政権

 菅首相退陣で期待感から急上昇した日経平均株価だがこの流れを完全に打ち消す動きをした先週(10月4日の週)の動き

 岸田ショックともいわれるこの相場の原因の第一は金融所得課税の増税懸念、岸田派の議員が「20%から25%に上げても市場を害しない」などと発言したことで更に不安感が増している。

 また、先日の所信表明演説では、賃上げ実現へ企業の4半期ごとの業績開示の見直しを明言した。これが、企業への規制だとして早くも不評を買っている。

 これから、衆議院選挙を控えているが岸田首相がどのような金融政策を打ち出すか衆議院選挙期間中、選挙後の発言に注目が集まる。

 そんな中、10月10日のフジテレビ番組「日曜報道ザ・プライム」で「金融所得課税、当面は考えていない」と発言したことで、一気に安堵感が広まっている。

いま日経に来ている流れ

 今年6月からアメリカではコロナの収束ムードが高まり、米株価は鰻登りの上昇となった。
 しかし、そのころ日本では緊急事態宣言を連発、世界の投資家の目は日本から離れていったと言える。
そんな中、日本の企業は好決算を連発、日経の底固めをしながら力をためていった。

10月1日 新規採用された銘柄が揃って下落したのはなぜ

[7974] 任天堂
現在値 49,570.0円 東証 15:00
前日比 -4,740.0円 ( -8.73%)

[6981] 村田製作所
現在値 9,397.0円 東証 15:00
前日比 -563.0円 ( -5.65%)

[6861] キーエンス
現在値 64,980.0円 東証 15:00
前日比 -2,020.0円 ( -3.01%)

  • 一つの理由は日経の配当月の影響と権利落ちのタイミング。
  • もう一つの理由は米国利上げによる米株の急落に足を引っ張られた。
  • 上記2点による複合的な作用とみている。

そこで、今回9月に入ってからは日経が上昇を見せ始める。しかし、ここへ来てまた米国の利上げや米国の株価急落が日経の足を引っ張る形で下落した。

 この3銘柄は最近上昇トレンドだったが、それは既に9月6日から日経225に採用が決まっていたため採用による上昇分は折込済みだったと言える。そのため、採用前に買って、採用実施日に売るという戦略もあったと思われる。

 しかし、日経平均に採用されたのは大きな要素なので任天堂などは50000円のレベルを割ってきた今、長期的には押し目買いのチャンスかもしれない。

注目すべき大きなポイント

 今年8月末日経平均のEPS成長率は世界のEPS成長率についに追いついた。このポイントは非常に大きい。

日経平均週足5年

 今後はここまで燻っていた日本株にバブル崩壊以来のブレークスルーがいつ起こっても不思議ではない状態になった。

 今後は岸田内閣が掲げるGoTo2.0などの消費刺激策の評価と動向、そして、その後行うと思われる企業に対するサプライサイドのアクションがどの程度効果を上げるかに掛かっている。

サプライサイドのアクション:物資や商品を供給する側への支援

 私の予想はこの後年末に向けて32000円を突破する日がくる。その後は調整をしながらも上昇の波はしばらく続くと思っている。

EPS成長率:EPS(1株当たり利益)であり、EPS成長率を簡単に言うと株価の伸び率でありこの数値が高ければ会社の収益性が高い。

ドル建てなら最高値

先週9月16日の日経平均最高値はドル建てて見た場合277.42ドルで、バブル期の最高値(89年12月28日)273.59ドルを超えている。

 今年、1月13日にも「274.49ドルまで上昇し、約31年ぶりに高値を更新した」と報じられたが今回はさらにそれを更新したことになる。
日本株安の時代は終わったと言えるのかもしれない。しかし、当時のドル円は140円くらいなので、円建ての最高値38915円を超えないと本当の最高値更新という気分にはならない。

ワクチン接種の加速で、感染者減少傾向も追い風になりそう。

 今年に入って三度の3万円超えを果たしたが、その後は29000円の上値が重く、6月には一進一退の状況が続いていた。その後、8月には夏枯れ相場となり、一時27000円を割る局面もあったが、9月に入って総理が退陣表明、流れが変わってきた。

 日経225はS&P500、米国債に続いて世界で3番めに大きい先物と言えるが、アベノミクスや日銀方針で掲げた2%成長率を達成したことがないため海外からの関心は下がりつづけてきた。

しかし、実はいつ成長率を達成するかと見ている投資家の期待感はまだかなり残っている。

 そこで、今回のように政界の変化が起こるとその期待感が爆発する。

そういう意味では上昇するポテンシャルを内包しているといえるだろう。

そして、今年後半の日経平均は年末に向かってさらに上昇すると考えている。

その根拠は日経銘柄の好決算

 その筆頭がトヨタ自動車で2022年度も2兆3000億円の増益予想、株価も上場来高値を更新している。
ソニーやキーエンス、任天堂も好調、NTTも1兆円超えの増益予想を出した。

 EPSが主導する株高は、好業績を反映した株高であり、8月に入っても半導体関連、自動車製造業を中心に好決算ラッシュだだった。

日経平均EPSとPER

 日経平均の現状を計る指標として、日経平均EPSや日経平均PERがあるが、この数値から見ても明るい見通しができるだろう。

日経平均EPSとは(当期純利益÷発行済株式総数)

「EPS(Earnings Per Share)」とは「1株あたり利益」のことで、一般に純利益を発行済株式数で割ったもの

日経平均PERとは(日経平均株価÷日経平均EPS)

 PER(Price Earnings Ratio)とは「株価収益率」のことで、株価を1株あたり利益で割ったもの。
なので、日経平均PERとはPERを日経225銘柄にあてはめて算出した平均ということ。

 PERの計算式は株価÷EPS(一株利益)、株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示していて、利益水準に対する株価の割高、割安を判断する尺度として利用される。

 PERの割安感は相対的なもので、業種によってPERの数値は大きく変化するためPERがいくつなら割安とは言えないのだが、日経平均PERの場合、15倍くらいが標準、20を超えると高い、12くらいから低めと判断されることが多いようだ。

 好決算をだして利益が上昇すれば、割安感が増し株価が上昇株価の上昇とともにPERも上昇していく。しかし、好決算をだしているのにPERが低ければ今後株価が買われて行く可能性が高いということだ。

 現在の日経平均EPSは2021年4月末で1411円だったが、5月31日には2068円となった。

今年1月のPERは26倍と高めだったが、好決算でEPSが上昇した。
 そのため、株価29000円ならPERも14倍程度に下がり、少なくてもPER16倍くらいまでの上昇が期待できる状態。

では、底値と上値の目安はどれくらいか?

 PER約12倍そしてチャート形状を考慮して考えると、26000円程度。

 上限の目安はPERが約16倍となる33000円程度と見る。

10月に一旦下げるアノマリーあり

 10月は株価が弱くなりやすいという10月効果(October effect)アメリカ発の格言で米国では歴史的に、市場が崩落した時期は10月に多かったことが理由らしい。

しかし、10月の安値は絶好の買いチャンスとなる11月以降の上昇気流を掴むにはむしろある程度下げて貰ったほうが良いという面もある。

 配当確定後の権利落ち銘柄も狙い目と言える。

コロナの収束状況によっては、更に上昇も予測でき日経平均は上昇シナリオだ。

好材料は揃っている、チャンスを逃すな。