金価格は各種のテーマ材料の足し引きの結果、現在ドル高傾向なのに金価格も高めに推移する理由はリスクの拡大懸念が大きく作用していると思われる。

金価格の動向を決めるテーマ

短期中期のテーマ

  1. 有事のムード  リスクの拡大懸念、インフレ懸念
  2. 代替資産    株の代わり、株が高ければ下がり安ければ上がる傾向
  3. 代替通貨    通貨(ドル)安なら上がりドル高なら下がる。テーパリングや利上げ観測はドル高要因

中長期のテーマ

  1. 中国インドの宝飾需要
    宝飾用の金需要はコロナ禍で大きく落ち込んだものの、宝飾需要は世界の金の年間需要の約5割(19年)を占める最大の項目だ。中でも1位の中国と2位のインドで消費の6割を占める。
  2. 中央銀行
    セルビアやタイなどの中銀は金の保有を増やしており、ガーナ中銀は最近、購入計画を発表。中銀の金購入は金相場の押し上げにつながる。
  3. 鉱山会社
    金の生産量の推移が金価格に影響
    全世界の地中に残される金の埋蔵量は、約5万tと考えられています。それでも金の鉱山からの生産量は毎年増え続けており。世界1位の中国の金の生産量は毎年400から500トンほどです。

リスク要因としては、欧州のコロナ拡大が主材料だが、コロナ以外の要因も大きい。

コロナ以外のリスク要因

  • 脱炭素がもたらすインフレ懸念
  • 原油価格の上昇、産油国が生産調整を行い高値を維持している。
  • 石炭消費国における石油の代替需要の増加
  • 脱炭素にに伴う電化の流れによる金属需要の増加と価格の上昇
  • 植物由来の燃料需要の増加で穀物高になる。
  • 枠組み乱立(TPP、OPECを始め新たな枠組みを作り主導権争いをしたり、対立が深まったりしている。)
  • ボイコット(来年の北京オリンピックをボイコットする動きなど、対立国が嫌がることをする。)

金の買いシーズン

SeeKing Alpha のPaulFranke氏の記事によると

「1999年以降の20年間の統計では12月中旬から2月末の間に5%上がることを示している。」という。

金のシーズナルアノマリーとでも言うべきかもしれないが、これは統計的事実である。

金価格最近の動向

 昨年7月22日に過去の最高値1グラム7000円を超え過去最高値を記録。コロナ禍で混乱が続く中、安全資産としての金の価格は上昇し続けていた。

 その後も上がり続け、昨年10月21日直近の最高値7200円を付けた金だが、今年にはいって下落が続いてきた。

 しかし、ここ最近ドルの上昇とともに金価格も上昇、しばらくは横ばいの可能性もあるが、11月23日パウエルFRB議長が再任されたことで、ドル円の上昇基調が続くものとみられ、中長期的には金価格が下がり安い状況が続くと思われる。

2020年、田中貴金属工業税込み小売価格より

過去(リーマンショック直後)に金が高値を記録したのは、2011年9月1トロイオンス1930.30ドルで円/グラムに直すと約6600円だった。(※参照)

※ 金価格は日本では1g(グラム)何円で表示されるが、国際的には1TOZ(トロイオンス)(=31.1035グラム)で表示される。